2014年4月4日の読売新聞夕刊の一面に、『小学教科書 全教科に震災、尖閣・竹島「固有の領土」』の見出しが躍った。これは、2015年度から小学校で使用する教科書の検定結果について、文部科学省が発表した内容を紹介した記事の見出しである。小・中・高等学校で使用される教科書については、原則4年ごとに検定が実施されている。現行教科書の検定は東日本大震災の前に行われたものである。今回は東日本大震災発生後に行われた教科書の編集であり、検定である。そのため、東日本大震災に関する記述や写真が小学校社会科の高学年用教科書のすべてに記載されており、また、島根県の竹島、沖縄県の尖閣諸島が、小学校の教科書に初めて、「日本固有の領土」と明記されることになったのである。このことに関連して、下村文部科学大臣は「各学校で領土に関する指導の充実が図られることを期待している」と談話の中で述べている。
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これまで、日本は歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島の北方四島の帰属をめぐってロシア連邦との間に領土問題は存在するが、竹島・尖閣諸島については日本の固有の領土であり、領土問題は存在しないという立場を取ってきた。しかし、日本の領土である竹島に対して韓国が実効支配し、また中国公船が尖閣諸島周辺の接続水域(領海の外側約22.2q)、あるいは領海に度重なる侵入を行うなど、日本の領土でありながら、日本の領土であるということを認めない他国の動きが、これまで以上に強まっているという状況を受けて、教育の場においても、次代を担う児童生徒に日本の国土についての正しい理解と認識を身に付けさせることの必要性、重要性が、これまで以上に強く求められていることの結果であるといえる。
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国家とは、@国土、すなわち国境によって限定された領土の広がりを持っているということ A主権、すなわちその領土とそこに住む人々を統治する責任ある政府が存在するということ B国民、すなわちそこに居住する人々が存在するということ Cその領土とそこに住む人々とを統合する政治的・経済的構造が存在するということ D運輸、交通、通信網が統一的に整備されていること、の5つの要素が必要があるとされている。そのうち、@〜B、すなわち、領土、主権、国民の存在が特に重要であるとされている。一定の領土と国民を有し、他国の干渉・支配を受けることのない独立した存在が国家なのである。
このような動きのあることを踏まえて、これまで、日本の国土についての学習が、どのように取り扱われてきたのかについて振り返り、日本国についての理解と認識が国民の間にどのように定着しているのかを検証するとともに、今後、日本の国土への学習をどのように進める必要があるのか見解を述べてみたい。
1. 今回の「中学校・高等学校学習指導要領解説」の一部改訂の内容
前述の小学校教科書の検定結果の発表に先立つ2014年1月28日、文部科学省は「中学校学習指導要領解説・高等学校学習指導要領解説」の一部改訂を行ったことを発表している。(注1)
改訂の趣旨については、「我が国の領土に関する教育や自然災害における関係機関の役割等に関する教育の一層の充実を図るため、平成20年7月に公表した「中学校学習指導要領解説」のうち、社会編の一部、また平成21年12月に公表した「高等学校学習指導要領解説」のうち、地理歴史編及び公民編の一部について所要の改訂を行う。」ことになったと述べている。
同時に、(注)書きで、「学習指導要領は、学校教育法等の規定の委任に基づき、文部科学大臣が告示として定める教育課程の基準で、法的拘束力があること。また、学習指導要領「解説」は学習指導要領の記述の意味や解釈などの詳細について、教育委員会や教員等に対し説明するため、文部科学省の著作物として作成したもの」であるとの併記がなされている。このように、改訂に際して、学習指導要領の法的拘束力を示していること、また、学習指導要領「解説」が文部省の著作物であるということを示したことで、国土についての学習の充実に強い期待を持っていると受け止めることができる。
2014年6月19日の読売新聞の四面、「政治の現場」の記事の中に、内閣府が2013年に実施した世論調査(竹島問題)についての紹介がなされている。この世論調査によると、竹島を「我が国固有の領土」と認識している人は61%に止まっていること、また全体の28%の人が竹島に「関心がない」と答えている。そのうちの41%の人が「知る機会や考える機会がなかったから」と学習の機会がなかったことを「関心がない」ことの理由として挙げていることなどが紹介されている。(注2)
領土問題についての関心の低さの状況を踏まえ、また、東日本大震災という大きな災害を経験した後ということを受けて、今回の学習指導要領解説の改訂は、第1に「領土に関する教育の充実」、第2に「自然災害における関係機関の役割等に関する教育の充実」を目指したものであるということができる。
「領土に関する教育の充実」については、対象となる教科は、中学校では「社会の地理的分野、歴史的分野、公民的分野」の三分野すべてである。高等学校では、「地理歴史の世界史A・世界史Bを除く、日本史A・日本史B、地理A・地理B」と「公民の現代社会、政治・経済」である。
「自然災害における関係機関の役割等に関する教育の充実」については、対象となる教科は。中学校では「社会の地理的分野」である。高等学校では、「地理歴史の地理A・地理B」である。
文部科学省が発表した「中学校学習指導要領解説、社会編(地理的分野)(抄)(全文でないので、抄が入っている)」では、これまで「・・・・北方領土(歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島)については、その位置と範囲を確認させるとともに、北方領土は我が国の固有の領土であるが、現在ロシア連邦によって不法に占拠されているため、その返還を求めていることなどについて、的確に扱う必要がある。また、我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違のあることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要である」との内容が示されおり、学習が行われてきた。これに対して今回の改訂では「・・・・北方領土(歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島)や竹島について、それぞれその位置と範囲を確認させるとともに、我が国の固有の領土であるが、現在ロシア連邦と韓国によって不法に占拠されているため、北方領土についてはロシア連邦にその返還を求めていること、竹島については韓国に対して累次にわたり抗議を行っていることなどについて、的確に扱い、我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要である。なお、尖閣諸島については、我が国固有の領土であり、また現に我が国がこれを有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在していないことを、その位置や範囲とともに理解させることが必要である。(下線部分が変更部分である)」と改訂内容について述べている。また、歴史的分野においても、「・・・・「領土の確定」では、ロシアとの領土の確定をはじめ、琉球の問題や北海道の開拓を扱う。我が国が国際法上正当な根拠に基づき竹島、尖閣諸島を正式に編入した経緯についても触れる。また、中国や朝鮮との外交も扱う」ことが示されている。
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では、「高等学校学習指導要領解説」では、領土問題について、どのように取り扱われることになるのか。「地理歴史」の「地理A」を取り上げ、改訂の内容を確認することにする。「・・・・我が国が当面する北方領土や竹島の領土問題や経済水域の問題などを取り上げ、国境の持つ意義や領土問題が人々の生活に及ぼす影響などを考察できるようにする。その際、我が国が当面する領土問題についは、北方領土や竹島は我が国の固有の領土であるが、それぞれ現在のロシア連邦と韓国によって不法に占拠されているため、北方領土についてはロシア連邦にその返還を求めていること、竹島については韓国に対して累次にわたり抗議を行っていることなどについて、我が国が正当に主張している立場を踏まえ、理解を深めさせることが必要である。
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なお、尖閣諸島については、我が国の固有の領土であり、また現に我が国がこれを有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在していないことについて理解を深めさせることが必要である。(下線部分が変更部分)」と述べており、北方領土に加えて竹島、尖閣諸島が日本の固有の領土であることをはっきりと明記したのである。この解説を踏まえた中学校「社会」の地理、歴史、公民の三分野の教科書、高等学校「地理歴史」の地理A・地理B、日本史A・日本史B、「公民」の現代社会・政治・経済の教科書編集が行われ、来年度において、検定結果が発表され、採択事務作業へと進むものと考えられる。また、教科書に記載されたということになると、その内容について、学習指導要領の法的拘束力に基づく取扱いが行われることになり、その成果が期待されるということになる。
2. 「我が国の国土についての学習」はどのように行われているか
日本はアジア・東アジアの中でも特に東方にあり、ユーラシア大陸の東端に位置しており、太平洋の北西部に位置している。このため、欧米からはるか離れた東の場所にあるということから、極東(The Far East)、あるいは東洋(The East)と呼ばれていた。日本の国土は地形的には全体的に弓形状をなしており、本州・北海道・九州・四国の日本列島と離島6,847島からなる島国である。
日本の国土の学習については、小学校学習指導要領では、第5学年の社会の学習内容として、「@我が国国土の自然の様子、A我が国の食料生産(農業・水産業)、B我が国の工業生産、C我が国の情報産業や情報化した社会の様子」の4つの項目が示されており、このうち、「我が国国土の自然の様子」の学習の中で、「地図や地球儀」の活用が求められている。また、「我が国の位置と領土、世界の主な大陸と海洋、主な国々の名称と位置」などについての学習を行うことになっている。
中学校学習指導要領(社会)では、「地理的分野」の中で主に学習することになっている。「地理的分野」の「世界の様々な地域(@世界の地域構成,A世界各地の人々の生活と環境、B世界の諸地域、C世界の様々な地域の調査)」の中で、また「日本の様々な地域(@日本の地域構成、A世界と比べた日本の地域的な特色、B日本の諸地域、C身近な地域の調査)」の学習において地球儀や地図の活用、緯度と経度、大陸と海洋の分布、主な国々の名称と位置、地域区分、日本の国土の位置、世界各地との時差、領域の特色、地域区分などについての学習が求められている。
高等学校学習指導要領(地理歴史)では、「地理A,地理B」の科目で主に学習が行われる。例えば、「地理A」では、「球面上の世界と地域構成」の学習の中で取り上げられている。地球儀と世界地図の比較、日本地図の描写を通して地球表面の大陸、海洋の形状、各国の位置関係、方位、時差及び日本の位置と領域などについてとらえる」となっている。
このように、日本の国土については、小学校、中学校、高等学校の段階でその学習が行われている。当然、日本の国土についての認識は深まっていなければならないし、そうなっていると誰もが信じたいところである。
3. 「日本の国境線」はどこに存在するのか
国家とは、一定の領土(領海・領空を含む)を持ち、そして一定内の領域に住む人々(国民)に対して、権力(政府)によって社会秩序をつくる仕組みがあり、外国からの干渉と支配を排除する権力(主権)を有するものであるとされている。
国境線は国家と国家との版図を区画する境界線で、国家、領土、主権の及ぶ限界(境)である。自然的国境と人為的国境とがある。
領海とは、沿岸に沿って一定の幅を持つ帯状の海で、国家領域の一部である。領海の範囲は、18世紀に砲弾の着弾距離を基準として、干潮時の海岸線から3海里(1海里は1,852m)以内を領海とすることが、国際慣習法上認められ、1928年のストックホルム国際法会議、1930年のハーグ国際法典編纂会議でもこの領海3海里を支持する国が多かった。しかし、国によって主張が異なり、1958年の第一次国連海洋法会議、1960年の第二次国連海洋法会議でも、意見調整ができず、3海里から200海里まで、各国が主張する領海の考えがまかり通っていた。1973(昭和48)年に行われた第三次国連海洋法会議において、海洋法条約草案が採択された。ここに至るまでの長い会議に幕が引かれ、18世紀以来懸案となっていた海の国際法が、初めて統一的な内容としてまとめ上げられたのである。領海は「12海里を越えない範囲」、「領海12海里を含む200海里において沿岸国の漁業及び鉱物資源に関する支配権を認める水域」が、排他的経済水域(EEZ、exclusive economic zone)である、と確定したのである。日本は1977(昭和52)年に「領海及び接続水域に関する法律」(領海法)を定め、「領海12海里(約22、2q)」を採用している。(注3)
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では、日本の国境線はどこに存在するのか。国境に表す英語には、BorderとBoundaryの二つがある。Borderは国境地帯という場合に使われている。現代の国境は線であるところからBoundaryが適当といわれている。国境は陸上にある場合、あるいは海上、湖上にある場合もある。日本は海洋国家である。国境線は海上にある。領海の外側の縁辺が国境ということになる。
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日本では、海上に国境があり、陸上の国境のように鉄条網などで区切られ、すぐ目の前が他国であるという状況に直面していない。このため、海上に国境線があり、その国境線を自由に越えられるということもあり、このため、国境線が地図上では確認されるが、実生活の中で国民に意識されることは少ない。このことが日本国民に日本の国土についての理解や認識あるいは関心が薄いという結果を招いているということができる。
4. 「日本の国境はどこ?」、高校生の認識度
2012年5月16日、MSN 産経ニュースが、兵庫県西宮市の若手経営
者でつくる西宮青年会議所(西宮JC)が、西宮市内の高校生を対象に、千島・樺太と北方四島、日本海、東シナ海(南方)の三種類の地図を示して、日本の国境を描いてもらうという調査を行ったことを報じた。この調査は2011年12月から2012年3月にかけて行われたものであり、有効回答数は3,223人であった。
調査の結果では、北方(千島・樺太と北方四島)の国境を正解できたのは444人、13.8%、日本海の国境を正解できたのは、197人、6.1%、東シナ海(南方)の国境を正解できたのは660人、20.5%であった。全問正解できたのは57人で、1.77%であったという。中国公船による尖閣諸島の接続水域、あるいは領海侵入が繰り返し行われている東シナ海(南方)方面の正解率は高かったが、北方四島や竹島がわからないという生徒も多かったという。生徒の大半が国境について正しく認識していないという状況である。この結果について、調査した西宮JC青少年委員会では、「全体的に自信満々で答えた生徒は少なく、昨年7月に日本JCで行った全国の高校生を対象にした調査と同じ結果であった。結果は生徒の問題ではなく、生徒にきちんと国境について教えてこなかった大人の問題だ」とコメントしている。このコメントは、これまでの学校教育の中で領土問題を自分たちの問題として十分に取り組んでこなかったことへの問題提起であると受け止めることができる。
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また、拓殖大学濱口和久客員教授は、2014年2月11日のNetIB Newsの中で、「日本の国境線をいえますか」との問いかけを行っている。そして、次のように述べている。「日本の国境線(領土)を正確にいえますか?」と質問して、正確に答えられる日本人がどれだけいるだろうか。学問的に研究している人、自衛官、海上保安官を除いて、日常の仕事や生活で、国境線(領土)を意識することはほとんどない。「それは国家の問題であり、個人には関係ない」と思っている日本人がほとんどである。そして日本人は誰もが自由に国境線を通過できるものと考えている。しかし、世界には出国はおろか、パスポートの取得さえ自由にできない國があるということを知るべきであると述べている。
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「領土問題は個人の問題」であると考えること、これは一人一人が自分の住んでいるところを守るという意識を身に付けるということである。「自国の領土が不当に奪われている状態をそのまま放置している国家を主権国家ということができるか」、という問題提起は、主権者である国民一人一人が国家の形成者であるという自覚と行動ができているかについて確認を求めるものである。自分の家(土地)に他人が勝手に入ってきて居座り、「ここは今からおれの家だ、お前は出ていけ」といわれるのを、黙って認めるのかというのと同じである。領土問題を個人レベルの問題に置き換えて考えることで、日本人一人一人に当事者意識が生まれてくる、との主張にも考えさせられるものがある。
5. 国土についての認識を深める努力を行おう
日本の国土はすべて島から成り立っている島国である。太平洋の北西部に位置する日本は、本州・北海道・九州・四国などからなる日本列島を中心に、南に延びる伊豆・小笠原諸島、南西に延びる南西諸島(沖縄本島など)、および北東に位置する北方四島(北方領土)からなり、全体として弧状列島を形成している。地球上の位置関係では、日本はおよそ東経120度から150度、北緯20度から45度の間に位置している。北緯20度から45度の間に位置している日本は、赤道と北極との間の真ん中ぐらいに位置していることになる。北半球の中緯度地方に位置しており、この中緯度地方に位置する国は中国、イランやイラク、トルコ、スペインなどの国々であり、太平洋をはさんでアメリカが同じ位置にある。
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日本の東西南北の端にある島々について確認すると、最東端は南鳥島(東京都)で、東経153度59分11秒、北緯24度16分59秒の位置にある。最西端は与那国島西ア(沖縄県)で、東経122度56分01秒、北緯24度26分58秒の位置にある。最南端は沖ノ鳥島(東京都)で、東経136度04分11秒、北緯20度25分58秒の位置にある。最北端は択捉島(北海道)カモイワッカ岬で、東経148度45分14秒、北緯45度33分28秒の位置にある。
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周囲が海に囲まれている日本は、国境線が日本列島及びそれを取り巻く島々の海岸線(基線)から海側に12海里(約22.2q)までの領海とその外側に接続水域(12海里)、そして領海、接続水域を含んで、海岸線(基線)から200海里までの範囲を排他的経済水域(EEZ)として、日本がその水域のすべてで資源(生物、非生物を問わず)の探査、開発、保存、管理及び同水域の経済活動について排他的な管理権を持っている。
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海底にはおよそ10兆円を上回るという海底資源が眠っているといわれ、海底のメタンハイドレートに含まれるメタンガスの量は国民のガス消費量の100年分をカバーできるといわれている。その他、ニッケル、コバルト、マンガンなどの鉱物が豊富に存在するとされている。
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日本の総面積は現在37万7947平方qである。日本政府が主張している日本の排他的経済水域(EEZ)は領土面積の約12倍の約405万平方qの広さとなり、領海と排他的経済水域(EEZ)を合計すると約447平方qの広さとなり、世界では第6位の面積を有する国となっているのである。
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多くの海底資源を有する排他的経済水域(EEZ)は日本に多くの恵みを与えてくれている。日本を取り巻く周辺の国々がこの経済的利益を生み出す、日本を取り巻く海域に進出したいと考えるのも当然である。日本の側から考えると、日本の領土である島が1つでも失われてしまうということは、その島の周りの領海と排他的経済水域、そこに含まれている多くの資源を失うということである。日本と周辺の国々との間との対立関係、これは単に領土の支配、領有という問題だけで終わらないのである。背後に経済的進出という問題を抱えているということにも目を向ける必要がある。学習指導要領の改訂で新たに加えられた竹島、尖閣諸島についての学習においても、日本の現在の領土を保持することが、日本の経済活動における優位につながっているということ、これらのことを踏まえて、国土の保持に努めることの重要性について、小中高の校種で学ぶ内容を整理して、領土に対する理解と認識を深める学習が進められ、その定着が図られることを衷心から期待する。
◆ 注
注1 新学習指導要領 生きる力(中学校学習指導要領解説、4 高等学校学習指導要領解説)
文部科学省 2014,1,28
注2 「竹島に関する特別世論調査」 (内閣府) 2013.8,26
注3 「海洋法に関する国際連合条約」・・・Wikipedia
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