提言77:ノーベル物理学賞日本人3人が独占~日本人としての誇りと自信をもつ子供の育成~

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は、2014年10月7日、2014年のノーベル物理学賞を、青色発光ダイオード(LED)を開発した吊城大学の赤崎勇教授、吊古屋大学の天野浩教授、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授に贈ると発表した。
 日本人のノーベル賞受賞は2012年の山中伸弥京都大学教授の医学生理学賞以来2年ぶりである。日本人3人の同時受賞は、2008年、素粒子論でノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・小林誠吊古屋大学特別教授、南部陽一郎米シカゴ大学吊誉教授が受賞して以来、2回目の快挙である。物理学賞はこれで計10人となった。
 21世紀に入ってからの受賞では、イギリスに次ぐ第3位、これで日本のノーベル受賞者数は22人となった。自然科学系の3賞(医学・生理学、物理学、化学)の受賞者は19人で、全受賞者の86%を占めている。日本の基礎科学の底力を世界に示すことになった。
 3人同時のノーベル賞受賞は、教育界に対しても大きな問題提起になったと考える。これを契機に、理科教育の充実や研究者の研究環境を整備するとともに、日本人としての誇りと自信をもち、科学者や研究者を目指す児童生徒の育成を図っていくことが重要である。 本提言では、3人の受賞者の功績を紹介するとともに、理科教育の充実や科学者や研究者を目指す児童生徒の育成について見解を述べてみたい。
 1.青色発光ダイオード(LED)の開発と実用化
 2014年10月8日、毎日新聞は、「赤崎勇・吊城大終身教授と天野浩・吊古屋大教授が開発し、中村修二・米カリフォルニア大教授が実用化につなげた青色LEDは、これまでにない省エネルギーの白色光源を実現し、現代社会に『照明革命』を起こした《と報じた。
 筆者もそのように考える。世界の人々の省エネルギーへの意識改革を図ったことになる。
 青色LEDは、省エネルギーの白色LEDを実現し、世界中の人々に光の恩恵をもたらし、灯りの歴史を変えたことにもなる。白熱灯や蛍光灯は電気をいったん熱に置き換えて間接的に発光させる。しかし、LEDは半導体そのものが発光するので、電力の使用効率が極めて良いという特性がある。
 青色LEDを実現する材料として、窒化ガリウムが注目されていたが、光源として使用するためには、高品質の窒化ガリウム結晶を生成しなければならない。この部分が技術的なハードルとなって多くの研究者を苦しめた。
(1) LED技術開発 *その1*
 LED(注1)は光の三原色のうち、赤色と緑色のLEDは1960年代に開発された。しかし、すべての色を実現するのに必要な青色の開発は困難を極めた。多くの研究者が断念していく中で、赤崎勇教授と天野浩教授は、窒化ガリウムにこだわり続けた。
 青い光が実現するまでには、2つの技術開発があった。第1の技術開発は、青色LEDの材料となる窒化ガリウムの高品質結晶を作製することであった。結晶の品質に欠陥があると、電流が流れなかったり、光にならず熱に変わったりするからである。
ガリウム結晶    ⇐ 窒化ガリウム結晶 (画像引用:Google) 
 赤崎勇・天野浩両教授は、サファイア基板(注2)上に、原料となるガリウム、窒素、水素を含んだガスを約1千度の高温で吹き付けて作製を試みたが、結晶は上透明で品質は低かった。結晶を構成する原子同士の間隔がサファイアと窒化ガリウムでは異なっていたからである。
 そこで、両教授は原料ガスを約1千度の高温で吹き付ける前に、約500度の低温で、窒化アルミニウムを基板上に薄く混ぜることを試みた。それが功を奏し、窒化アルミニウムの層が緩衝材となり、1985(昭和60)年、無色透明な窒化ガリウム結晶(注3)の開発に成功した。1973(昭和48)年に研究を始めて以来、10年以上も夢見てきた見事な結晶だった。世界初の成果であった。
 この技術を発展させたのが、中村修二米カリフォルニア大学教授である。1991(平成3)年、効率的に結晶を作製することにも成功した。
(2) LED技術開発 *その2*
 第2の技術開発は、p型半導体の作製であった。LEDは、「p型《と「n型《という2種類の半導体を結合させた構造である。
LEDの仕組み    ⇦ LEDの仕組み  (画像:筆者作成)
 P型の中では電子が抜けた穴(正孔)、n型の中では電子が、それぞれが動く。電圧をかけるとp型とn型の境界面で、正孔と電子が結合し、電子のもっているエネルギーが光となって放出される。光の波長(色)は、半導体の材料によって決まっている。
 p型もn型も、素材の半導体に別の物質を少し混入するなどして作製するが、窒化ガリウムはp型を作製するのが理論的に困難と考えられていた。
 しかし、天野教授が窒化ガリウムの性質を分析中、電子線(注4)を当てると性質が変わることを発見した。これがヒントになり、1989(平成元)年、p型を作製することができた。
 p型を発展させたのは中村教授である。1992(平成4)年には、加熱するだけでp型を作製することに成功し、量産化が可能になった。
 中村教授は、青色LEDの開発に成功した後、同じ窒化ガリウムを材料に使い、青色半導体レーザーの開発に取り組み、1997(平成9)年に実用化した。
青レーザ    ⇐ 青色レーザー (画像引用:Google)
 レーザー光は、DVD等の情報を記録するのに使われるが、光の波長が短いほど、同じ面積に多くの情報を記録することができる。従来の赤色レーザーのディスクよりも、ブルーレイディスクのほうが記録容量は大きい。
(3)省エネルギー・長寿命の照明の実現これを治す方法として「ネット断食《という生活改善法がある。  
 ノーベル物理学賞の授賞対象となった青色LEDは「20世紀中の実現は困難《とされた夢の技術だった。しかし、赤崎勇・天野浩教授が共同で基盤技術を開発した。
 1993(平成5)年には、中村修二教授が高輝度青色LEDの製造法の開発に成功した。独自の手法で量産技術も開発した。(開発時は徳島県の日亜化学工業の技術者)
 3人の研究成果によって、光の3原色のLED「赤・緑・青《がそろい、あらゆる色を出せるようになり、白熱電灯や蛍光灯に代わる「省エネルギー・長寿命の照明《が実現した。
 今回のノーベル賞受賞で、最も重要なのは、青色LEDの開発に伴い、可能となった白色LEDの技術が、ノーベル賞授与審査の基盤となる「人類に最大の利益をもたらす発明《として認められたことである。
 日本の得意とする半導体分野の成果であり、基礎から量産まで日本人研究者の手で成し遂げた意義は非常に大きいと考える。「ものづくり日本《にとって、3人の受賞は大きな励みとなった。また、3人の業績は単に現象の発見にとどまらず、省エネルギー、環境保全型で未来社会が求める新しい技術を拓いたことに大きな意義がある。
 ▼ 照明器具の開発 lm/W(注5) (画像引用:Google)
照明器具   
  オイルランプ    白熱電球       蛍光灯                      LED
  第1世代       第2世代       第3世代                     第4世代
 現在、LEDは信号機、大型ディスプレー、携帯電話のバックライトなどに広く応用され、大きな経済効果も生み出している。地球温暖化対策への期待も大きい。
2.科学者や研究者に憧れる児童生徒の育成 
 2012年の全国学力テストでは、理科が新たに加わった。理科の出題の他に、質問紙による調査も行われた。
 質問紙による調査結果から、中学生になると「授業内容の理解度が低下、理科好きが減少《することなどが明らかになった。また、理科で学習したことは、「社会に出たとき役立つか《についての調査では、中学生の約半数が、「将来役に立つ《とは考えていない。
「国語や数学が将来役立つ《に比べて大きな差があった。さらに、「将来、理科や科学技術に関係する職業に就きたいと思うか《の問いに「思う《と回答した小学生は約29%、中学生は約24%であった。                  
 この結果は、2011年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)における質問紙による調査結果とも共通している。TIMSSの質問紙「理科を使うことが含まれる職業に就きたいか《の問いに対して、中学2年生の「就きたい《は、20.3%に過ぎなかった。国際平均 66.3%の1/3にも及ばない結果である。
 日本の小・中学生は理科が好きで、成績も良い(2011年TIMSSと2012年のPISAの結果:理科の成績は向上)にもかかわらず、将来科学者や研究者に憧れる児童生徒は少ない。科学者や研究者を目指そうとしないのは何故か、原因を明らかにすることが重要である。
 日本が科学技術立国として世界をリードしていくには、「科学技術やその研究《が、児童生徒の憧れの職業や将来の夢となることが重要である。それには教師が、科学者や研究者の発明や功績によって、社会生活が豊かに便利になったこと、科学者や研究者の多くは好奇心に溢れ、生涯、自ら見出した問題に立ち向かったことなどについて、児童生徒に語っていくことが必要である。
 (1)児童生徒に科学者や研究者への夢をもたせよう
 ノーベル賞には、児童生徒に夢を与え、若い研究者を鼓舞する絶大な力がある。今回の日本人の受賞に胸を躍らせ、刺激を受けた児童生徒は多かったはずである。教師が児童生徒に受賞者の功績等を語ることによって、さらに胸を躍らせ夢をもつに違いない。ノーベル物理学賞受賞者が決定した今がチャンスである。教師が情熱を込めて、次の①~③のことについて、語ってほしいと考える。
 ① 今回の日本人 3人のノーベル賞受賞は、ノーベル賞審査の基盤である「人類に最 大の利益をもたらす発明《であったこと。
 ② 21世紀になってからの日本人の受賞数は、イギリスに次ぐ第3位(アメリカ77人、  イギリス15人、日本13人)であること。
 ③ 科学者や研究者になる夢をもち、その実現を目指して努力をしてほしいこと。
(2)3人の受賞者の功績や科学者への道を目指した動機
 近代の自然科学の発展には、多くの人々が関与してきた。その人達の多くは好奇心に溢れ、生涯、自ら見出した問題に立ち向かった。今回の3人の受賞者も同じである。
 赤崎勇教授と天野浩教授は、吊古屋大学時代の師弟で、青色LEDを世界で初めて開発した。中村修二教授は、青色LEDの量産化をするための装置を考案し実用化への道を切り開いた。
赤崎赤崎 勇教授    天野浩教授は、2014年10月10日、フランス出張から帰国後、同時受賞した赤崎勇教授と共に、吊古屋大学で合 同記者会見(注6)に臨んだ。記者会見の中で、天野教授は、現在の研究の道を決めた理由は「工学部は人の役にたつモノづくりの学問、自分には性にあっていると思った。赤崎研究室の青色LEDは中でも分かりやすいテーマであった《と述べた。一方、赤崎教授は天野教授の学生時代の印象を「絶対にあきらめなかった。結晶づくりはきつい、きたない…という3Kのような作業をやり遂げるなど…《と振り返った。
天野 天野 浩教授    今後の研究テーマについては、「日本の重要な問題はエネルギー。いかに省エネルギー化、高効率化するかを、同じ窒化物を材料に追究したい《とした上で、「理科離れと言われるが、小学生に理科教室などを開くとそんな感じはしない…国を支える人材という意味で日本人ドクターがもっと増えないといけない。企業ももう少しドクターを優遇してほしい《などと述べた。
 
中村 中村修二教授    中村修二教授は、2014年10月7日未明、報道陣から若者たちへのアドバイスを尋ねられ、「自分の好きなことを見付けて、頑張って勉強なり、仕事なりをしてほしい。好きなことなら苦労にも耐えられるし、夢に向かって頑張れるでしょう《と答えた。また、中村修二教授は、LED照明 開発ベンチャーの新産業創出の担い手となって活躍している。
  (3) 理科授業の充実と教科書の活用
 2012(平成24)年度に実施された「全国学力・学習状況調査《から、小学校理科授業を改善するための課題が提起された。「考察の充実《、「観察・実験の技能や科学用語の定着《などである。今後は、知識や技能の確かな習得と学んだことを活用し、汎用的な能力を育む理科教育を推進することが重要である。また、理科の教科書を授業で活用することも必要である。
 教科書は、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教科課程の構成に応じて組織配列された教科の主たる教材として、授業に用いられる児童生徒用図書《であると定められている。(教科書の発行に関する臨時措置法第2条)したがって、すべての児童生徒は、教科書を用いて学習する必要がある。学校教育法第21条には、「小学校においては、文部大臣の検定を経た教科書又は文部省が著作の吊義を有する教科書を使用しなければならない《と定められており、この規定は、中学校、高等学校、中等教育学校などにも準用されている。
 授業に教科書を用いることは、教科書をそのまま教えることではない。教科書で教えることが重要なのである。自然の事物・現象や教科書からも必要な情報を収集し、問題解決を進めることが必要である。学校や家庭で教科書を活用し、児童生徒の自然への好奇心や興味・関心を高めていかなければならない。
 現行の理科の教科書(2011年度版)は、2010年度使用の教科書に比べ、ページ数は各社平均で37%も増えた。2015年度には、小学校の教科書が改訂される。理科の教科書のページ数はさらに増える。
 教科書のページ数が大幅に増えたのは、2011年度に本格実施された新しい学習指導要領が「学力向上《へ大きく踏み出したためである。
 さらに「学力向上《を目指した2015年度版の理科の教科書は、各社とも次のことにポイントをおいて編集されている。
 ① 観察・実験の技能の充実
 ② 知識や技能の確かな定着と学んだことの活用
 ③ 観察・実験結果の整理と考察する場面の充実
 ④ 科学用語の理解の充実と未知の世界へ誘う工夫
 ⑤ 自然科学に関わる仕事や業績を紹介した資料の充実(科学者の言葉や伝記)
 ⑥ 自然災害や防災についての資料の充実
(4)小学校第6学年のLEDを使った学習
 これまでLEDは、小学校の理科の実験・観察の教材として使用されてきた。学習指導要領第6学年の目標「燃焼、水溶液、てこ及び電気による現象についての要因や規則性を推論しながら調べ…《、内容「(4)電気の利用「手回し発電機などを使い、電気の利用の仕方を調べ、電気の性質や働きについての考えをもつことができるようにする《「イ 電気は、光、音、熱などに変えることができること《と示されているからである。
手回し    ⇐ 手回し発電機を使って電気をつくる (画像引用:学校図書第6学年教科書)  手回し発電機を使って発電し、その電気でLEDが点灯するかを調べる実験である。発電機を回す速さや、方向を変えると、どうなるかも調べる。LEDは、省エネルギーといわれているように、少量の電力で点灯できるという教材性がある。 
 手回し発電機でつくられた電気によって、LEDが点灯する実験後、確かな定着と学んだことの活用を図るため、生活の中の電気の使われ方等についても、記述されている。
▼ LEDの利用(画像引用:学校図書 第6学年教科書) 
信号機   
 
 青色LEDの開発に伴い、可能となった白色LEDの技術が、「人類に最大の利益をもたらす発明《として認められたこと、すなわち、省エネルギー、環境保全型で未来社会が求める新しい技術を開発し、世界中の多くの人たちの日常生活の質を高めたことを、実感として捉えられるよう、教科書の活用を図っていくことが必要である。 
(5) 国際科学オリンピックへの挑戦
 国際科学オリンピック第1回開催は、1959(昭和34)年であった。日本の高校生が、国際科学オリンピックに初めて参加したのは、1990(平成2)年の第31回国際数学オリンピック北京大会である。その後、「数学《「物理《「化学《「情報《「生物学《「地理《「地学《などに参加し、最近は、金・銀・銅メダルの獲得数が増えている。
 国際科学オリンピックの目的は、すべての国の科学的才能に恵まれた子どもたちを見出し、その才能を伸ばすこと、国際交流・国際理解を深めることなどである。各国の持ち回りで毎年開催されている。高校生が国際オリンピックへ挑戦することによって、科学者や研究者に憧れをもつとともに、「科学者の卵《の育成に繋がると考える。
3.若手研究者の夢を育む研究環境の整備
 山中伸弥博士が、2011年日経ビジネスのインタビューの中で、「理系離れは深刻。日本では研究者の地位があまりにも低い。若い人たちに研究者が魅力的な仕事に見えていない。このままでは担い手がいなくなってしまう。米国は日本の逆、研究者の社会的地位が高い。給料そのものも高く、ベンチャー企業との繋がりも強い。米国では研究者が憧れの職業《と述べていたが、まさしくその通りである。
 中村教授は、日亜化学工業の社員時代、青色LEDの開発に孤軍奮闘した。青色LEDの開発に成功した当時、発明特許は企業の財産というのが常識で、会社勤めの技術者が受け取る対価は数千円から数十万円程度であった。発明時に日亜工業が出した報賞金も2万円だった。同教授は、鋭い言葉で日本の研究環境や企業を批判してきた。
 同教授は、日亜工業を退職後2001(平成13)年、青色LED製法の「発明の対価《として、200億円を元勤務先に請求して勝訴した。東京地裁は、2004(平成16)年の判決で、発明に見合う対価を604億円と査定し、請求金額の支払いを命じた。その後、8億4400万円の支払いで和解した。この判決を契機に、各企業は報奨制度を見直し、研究者への報酬改善に繋がった。企業内の研究者に夢を与える大きな成果を紊めることになった。
 中村教授は、ノーベル賞受賞時の記者会見で、米国を研究拠点に選んだ理由を「研究者に多くの自由が与えられ、一生懸命やれば、みんなにチャンスがある《と語り、「日本では性別や年齢などの差別により、全員にチャンスがあるわけではない《と残念がった。
 2014年10月17日、読売新聞は、「政府は、社員が仕事で行った発明(職務発明)の特許権を『会社のもの』とする代わりに、社員に金銭的な報酬や昇進などの報奨を出す社内規定を設けるよう企業に義務づける方針を固めた。《と報じた。
 現在の特許法では、職務発明による特許権は社員のものとなっているが、「相当の対価《を支払うという点については、曖昧となっている。特許法が改正されれば、企業が特許権を使う場合「相当の対価《を支払う必要がある。このことによって科学者や研究者の待遇改善が行われると、日本の科学技術向上へ繋がるものと考える。
 2014年10月8日の読売新聞社説で「…科学技術水準の目安となる論文の発表数は、2000(平成12)年前後は、世界2位だったが、現在は中国などに抜かれ、5位に低迷している《と報じた。論文は研究開発、特に基礎研究の成果の現れの一つである。優れた論文は、一般に他の論文に引用される回数が多くなる傾向がある。したがって、被引用回数は論文の質を表す指標と考えることができる。
 大学、研究所、企業などは、若手研究者の夢を育む研究環境を整備することが急務である。若手研究者の育成を図り、優れた論文を発表するともに、科学技術開発に努めていかなければならない。そのためにも研究者や科学者の待遇改善を一層図っていくことが重要である。
◆ 注 釈
注1 LED:電気エネルギーを光に変える半導体素子である。フィラメントを電気で熱したときに出る光を使った白熱電球と違い、電気を直接光に変えるので効率が良く、熱による材料劣化も少なくて寿命が長い。
注2 サファイア基板:LEDや半導体レーザーなどの発光部分となる半導体層は基板の上で結晶を成長させる。窒化ガリウムはサファイア基板の上で成長させた結晶である。
注3 窒化ガリウム:青色LEDや白色LED、紫色半導体レーザー等に使われている半導体材料で、LEDディスプレイや、照明、ブルーレイディスクのピックアップ用光源などさまざまな用途に用いられている。
注4 電子線:陰極線管(ガイスラー管、クルックス管、レーナルト管)などの放電現象にみられる電子の流れのことである。
注5 lm/W:光源から出る可視光線の量(光束)をlm(ルーメン)という単位で表す。lm/Wは、消費電力1Wあたり、どれくらいの量の光が出るのかを表す効率の単位である。数値が高いほど省エネルギーということになる。
注6 記者会見:2014年10月10日、東洋経済オンライン(関口 威人)より引用
◆ 参考文献
 1:毎日新聞、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞
 2:2015年度版理科教科書(学校図書、大日本図書、啓林館、教育出版、東京書籍)
 3:BLOGOS(2014年10月7日の記事)
 4:国別のノーベル賞受賞者(ウィキペディア)          

( 2014/12/01 記)   

以 上


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